語林講座 四字熟語編  
 
          文・樋口千夏      
     
もどる
【天知道】 

天知道とは、「只有天才知道」(神様しか知らない=人間なら誰も知らない)という意味です。
要するに「誰都不知道」と同じ意味なのですが、それよりも言い方がきつく、「知るものか」と言い捨てるようなときに使います。  

 天知道他又到哪里去玩了。
  /彼女がまたどこに遊びに行ったかなんて知るもんか。  

 -他今天又不上班。你 知道他几点来?  
 /あの人、今日も出勤しなかった。いつ来るかわかる?
  -天知道!   
 /知るもんか!

【想得美】

「想得太美了」とも言います。
「ただの妄想だ」「考えが甘すぎる」「理想にすぎない」という意味です。

  不花力气就想挣钱,想得美。
  /苦労しないでお金を稼ぐなんて、ただの妄想だよ。

先月、ご紹介した「异想天开(ありえない)」と同じような場面で使いますが、
「异想天开」が現実からかけ離れていて、100%実現しないだろうということを表すのに対し、
「想得美」は多少、現実味を帯びたことを言う場合に使います。

【没准儿】 

「ひょっとしたら」「もしかして」という意味です。

  天那么暗,没准儿一会儿要下雨。   
 /空がこんなに暗いから、もしかしたらこの後、雨が降るかもしれません。

「准」は「当たる」意味です。
「没准儿」の意味は「説不定」に近いです。

【八成儿】 
  「八割方」「おそらく」「きっと」という意味です。
「〜成児」は「何割」の意味です。
日本語では「おおかた」「七割方」「九割方」とその場に応じて任意に数値を変えますが、
中国語で「おそらく」として使う場合、「七成儿」「九成儿」とは言いません。

  都晩上八点了,他今天八成儿不会来了。  
  /もう夜の八時だから、きっと彼は今日来ないでしょう。

【十有八九】 
これも「おそらく」「きっと」という意味です。

  看他今天心情那么好,十有八九是有什么好事了。  
 /彼が今日あんなにご機嫌ということは、きっと何か良いことがあったのだろう。

<3、4、5についてさらに一言>
「十有八九」「八成儿」「没准儿」はいずれも推測を表しますが、確度の高さを比較して並べると、
  「十有八九」>「八成儿」>「没准儿」   
 (確度高い)←                です。